箱根町の中でもとりわけ宿泊施設が多く、自然豊かな仙石原。この地域には美術館も多く建っていて、箱根ラリック美術館もその内のひとつです。
その名の通りフランスの工芸家であるルネ・ラリックの作品を蒐集・展示する美術館で、彼が内装デザインを手がけたオリエント急行の列車も展示。気持ちの良いレストランが併設されていると聞き、昼食ついでに訪れてきました。











箱根ラリック美術館の設計を手掛けたのは、日本を代表するゼネコンの一つである鹿島建設の設計部門(KAJIMA DESIGN)。BCS賞を始めとして数多くの賞を受賞しているようですが、その際には木々や清流といった自然に取り囲まれた敷地特性を活かした建物である点が高く評価されたようです。*1
*2:一般社団法人日本建設業連合会HP内、日建連表彰BCS賞の第47回受賞作品より。(https://www.nikkenren.com/kenchiku/bcs/result_year.html?year=2006)
美術館の建物自体はシンプルながらも、敷地のすぐ側を流れる小川を引き込んだ配置計画や、元々敷地にあった転石を活用した擁壁、自然土を固めることでつくられたビオトープ等、周辺環境を活かすためにランドスケープに工夫の凝らされた施設。地域生態系の歴史調査が実施され、その内容が設計に反映されている等、建物の設計と同等かそれ以上に土地の生態系を活かすことに力点が置かれており、主張のある建物とはまた違った魅力のある、大人な建築だと感じました。
箱根ラリック美術館
[所在地]神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186-1
[用途]美術館・博物館、レストラン
[設計]KAJIMA DESIGN
[施工]鹿島建設
[竣工]2004年
[HP(美術館)]https://www.lalique-museum.com/
[HP(レストラン)]https://emoa.by-onko-chishin.com/