やしまーる|屋島山上に建つ、透明でリボンのような展望施設

香川県高松市屋島の山の上に、2022年に竣工した屋島山上交流拠点やしまーる(以下、やしまーる)。施設名に交流拠点施設と掲げられていますが、その実態は、展望台に多目的ホールやギャラリーが付属した複合用途の施設です。
この建築の設計はSUO+Style-A設計共同企業体が手掛けていますが、このグループの代表的存在である周防貴之さんは、国際的に有名な建築家ユニットであるSANAAから独立、直近では大阪万博のパビリオンなども手掛けている建築家。駅からは若干距離があるものの、新建築の表紙を飾るなど注目度の高い作品ということもあり、足を運んできました。
屋島山上にふわりとかかったリボンのような建築




屋内外が重なっていく透明な展望施設




動物のようにうねる屋根と床





一筆書きの空間に同居する多様な場




地域産材である庵治石

*1:2026年日本建築学会賞HPより。近傍のれいがん茶屋も含めた《屋島山上プロジェクト》として作品賞を受賞しており、業績紹介としてやしまーるが実現するまでの経緯を見ることができる(URL:https://www.aij.or.jp/2026/2026prize.html)


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やしまーるの設計者は、2015年から2016年にかけて実施されたプロポーザルで選定されていて、竣工までの年数を数えると約6年ほどかかっているよう。敷地を大きく使っているとはいえ、建物の延床面積は1,000㎡ほどなので、同規模の施設と比べるとかなりの長期プロジェクトだといえます。
この建築が位置している屋島は、その地形の特異性から国によって史跡・天然記念物に指定されている土地*2。こうした場所では計画や工事の内容を事前に国に提出し、許可を得なければならないことがあるので、そうした手続きに時間が必要だったのかもしれません。
*2:高松市公式HPより。(URL:https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/smph/kurashi/sogo/shinseisho/shinseisho/bunka/yashima.html)
先日2026年の日本建築学会賞が発表されましたが、この建築の設計チームを率いた周防貴之さんは、この建築を含めた屋島山上プロジェクトで作品賞を受賞されたよう*3。そのHPの中では業績紹介として計画趣旨が語られていますが、まず冒頭にこの土地の特徴を浮き彫りにするような建築を目指していたことが語られていたのが印象的でした。
*3:2026年日本建築学会賞HPより。(URL:https://www.aij.or.jp/2026/2026prize.html)
新建築などのメディアで目にしていたときには現代建築としての独自性にばかり目がいってましたが、実際に訪れてみると、屋島の風景とこの建築とが、その良さを互いに引き立て合っているように感じられたのは新鮮な体験でした。
やしまーる
[竣工]2022年
[用途]ビジターセンター
[設計]SUO+Style-A 設計共同企業体(建築)
[所在地]香川県高松市屋島東町1784-6
[HP]https://www.yashima-navi.jp/jp/yashimaru/
[参考書籍等]*リンクはAmazon商品ページにジャンプします
・『新建築2022年9月号』新建築社、2022



